前回紹介した、ギブアンドギブ・コムの志賀内氏よりメールが届き
以前雑誌で連載していたというコラムの添付をいただきました。
とてもいいお話でしたのでここでも紹介させて頂きます。
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新幹線で上京したときのこと。車内アナウンスが入った。
「おやすみのお客様には、真に恐縮ではございますが、
車窓の左側をご覧ください。日本一の山、富士山が今日も美しい
姿を見せております。東海道新幹線の見どころの一つでございます」
次の瞬間、車内がざわつき、ほとんどの人が左の車窓を見やった。
それだけではない。驚いたのは、その半数くらいの人が、携帯電話を
取り出して写真を撮り出したのだ。
まるで、富士山の写真撮影会のようになってしまった。
実は、私が注目したのはこのことではない。アナウンスの第一声である。
「おやすみのお客様には、真に恐縮ではございますが・・・」
この一言、なかなか言えるようでいて言えない台詞である。
本当に眠っている人もいるだろう。パソコンで仕事をしている人もいる。
邪魔になってはならない。どこまでがサービスなのか。
迷って、迷って迷ったあげくの一言に違いないと思ったのだ。
アナウンスの主に会いたくなり、車掌室へ走った。
突然の訪問者に気軽に応対して下さった。
声の主は、車掌長さんだった。名札には坂上靖彦さんとあった。
「おやすみのところ・・・」の一言に感動したと言うと、「パッ」と笑顔になられた。「その通りなのです」と。
常に、新幹線に心地よく乗っていだくために、どうしたら
良いサービスができるか考え続けているとのこと。ときには、
「カメラ付きケータイをお持ちのお客様は、窓ガラスにピッタリと
固定させて撮られるとキレイに写ります」とアドバイスされることもあるという。
一人ひとりがサービスを心掛けることで、皆さんに心地よく
利用してもらいたい。その一心があの台詞になったという。
しかし、最近の若い社員はなかなかマニュアル通りにしかできない。
マニュアル以上のことするのがサービスなのだ、とも。
なかなか美しい富士山の見られる機会は少ない。そのチャンスを
お客様にぜひ、という素直な気持ちから出た一言なのだ。
これこそサービスの本質ではないか。
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いかがでしたか?
皆さんも、プチ紳士だと思う人に出会ったら、是非そのお話を
こちらに投稿して下さい。